はーぶとは?

内服方法とその種類
ハーブを内服するにあたっては代表的な使用方として

どの方法が一番効くのか?というご質問をよく受けますが、これは個人差・体質・症状によりベストな製剤の形が異なり、チンキが良い方やチンキと浸剤を両方必要な方、または浸剤や煎剤が一番しっくりくる方など様々です。

一番ポピュラーなのはチンキ/ティンクチャー
メディカルハーバリストの間ではチンキというアルコール水溶液にハーブを漬けてその成分を抽出したものが一番ポピュラーに使用されています。
その利点としては、次のような理由があげられます。

  • 保存がきくー冷暗所で1年以上、保管状態がよければ5〜10年持つものも
  • 内服量が少量ですむー大人で1日1回、1〜5mlを少量の水などで薄めて利用
  • 浸剤などでは抽出されない植物成分が含まれている分「成分」の薬効が期待できる

しかし、チンキにはアルコールが含まれているのでお子様やアルコールに弱い方、または肝臓障害のある方やお年寄りなどには注意が必要です。

錠剤やカプセル
長期にわたってハーブを内服する必要のある方で特に肝臓が弱っている方に合うのが錠剤やカプセル。英国のハーバリストの間ではそれほどポピュラーな製剤ではありませんが、忙しく浸剤などを作る時間がないときは便利です。
ハーブをそのまま乾燥または粉にして作ってあるものから、ハーブの有効成分のみに注目して作ってあるタイプ(Standardised商品)や、商品によってはとても薬効が高い場合もありそれに伴い注意点も増えていきますので、お店の人や製造会社に安全性などを確かめて購入する事をお勧めします。
ご自分の症状に合うハーブを数種類選んでブレンドした物を飲まれてもいいですし、単品で使用されてもかまいませんが、選んだハーブによって、浸剤または煎剤と内服方法が異なってきますのでご注意下さい。
浸剤や煎剤の場合、ブレンドするハーブは3-5種類まで、チンキの場合は最高6-7種類までをお勧めします。また、症状により禁忌となるハーブもありますのでご注意を。

ハーブの保存方法
購入した乾燥ハーブは密封容器に入れ冷暗所に保存し、チンキの場合は遮光ビンにいれて冷暗所で保存。乾燥ハーブは半年から1年、チンキは市販で2年以上、家庭で作る場合は1年程保管できます。

ハーブの摂取方法
浸剤、煎剤、チンキの味が苦手な方は、蜂蜜などを入れて味を調節してください。 チンキの場合、水ではなく桃ジュースなどで割って飲んでいただいてもかまいませんが、オレンジやグレープフルーツジュースを使用するのは避けてください。 浸剤、煎剤、チンキとも初心者の方で飲み方の指示がない場合は食後に摂取することをお勧めします。

注意!
例外)チェストツリーというハーブは朝一番、食前に摂取がベスト。胃壁を守る目的に使用する場合(マーシュマロウ根など)食前に飲むこと。

ハーブの注意点

一般的にハーブは安全と考えられていますが、他のセラピー(アロマセラピー)などと同様に使い方を間違えると体に有害な物になることもあります。
また、ハーブは個人個人の体質や症状に合ったものを選ぶことが大切です。例えば、妊娠中の方や高血圧や肝臓障害を患っている方には禁忌となるハーブもありますので、必ず専門家の指示を仰ぐことをお勧めします。

妊娠中:とくに何の問題がなければハーブティーは、ネトルやレモンバームなどのとても穏やかなハーブ以外は、避けたほうが無難です。健康に問題がある場合、それに見合ったハーブを摂取することもできますが必ず専門家の指示を仰いでください。
乳児:母乳を通じて赤ちゃんにハーブを摂取させる時は、強い薬効があるものは避けたほうがベターです。
幼児:強いハーブではなく穏やかなハーブを使用することをおすすめします。 
併用:医者からの処方箋や漢方の処方などすでに何らかのお薬を飲まている方は、処方を出している方からの指示を仰いてください。中には禁忌となるハーブや処方の効能を妨げてしまうもの、漢方などではせっかく体質に合わせて出された薬のバランスを崩す恐れがでてくることも考えられます。

ハーブの分量
ハーブは薬草です。1日の内服量を守ってください。

(年齢÷20)×大人の1回分のハーブの量 
 6歳以下:年齢×6=%×大人の分量 
   例)4歳×6=24%×5ml〜1.2ml

これらの算出をご参考にしてください。
基本的にハーブは最低でも2-3ヶ月続けて飲むことをおすすめします。症状の回復の速さには個人差がありますので、あせらずにゆっくりとハーブの持つすばらしい効果をお試し下さい。

浸剤/Infusion

葉、花、地上部などの部分に用い、乾燥又は生のハーブをお茶(浸剤)として内服します。更年期や寝汗用などの場合をのぞき、浸剤は作り置きせずに毎回飲用時に作って飲むことをおすすめします。

分量
乾燥ハーブ25〜30gに対し100度の熱湯500ml〜600ml
(乾燥ハーブ小さじ山盛1杯に対しマグカップ一杯の熱湯)
*大きい葉や花の場合、細かくちぎったりカットしてからお使いください

作り方
1.フタがしっかりしまるティーポットにハーブを入れ、熱湯を注ぎ入れます。
2.蒸気をできるだけ逃がさないようにしながら3〜10分ほど蒸らし、茶漉しで濾してから飲用します。
*ハーブによって浸出時間が多少異なります。

飲み方
ティーカップ1杯を1日朝・昼・晩の3回を目安に飲用します。
生のハーブを使う場合は乾燥ハーブの2-3倍の量を使います。
*冷浸剤(Cold Infusion)という水出しタイプもあります。
ハーブを一晩ほど水に浸けます。
マーシュマロー根など粘液質を含むハーブを使用の際に使われる方法です。

注意!
ハーブを処方することは医療行為となります。医師免許を持たない一般の方がハーブを処方することは法律で認められていませんので、 日本でハーブの知識をどのように職業に生かせるかはご自身で各公共機関などにお問い合わせください。

煎剤/Decoction

主に根、樹皮、果実などの固い部分に用いられる方法です。 できれば24時間内使用をお勧めしますが、2-3日でしたら冷蔵庫で保存ができます。
慢性の疾患や滋養などに使われる場合が多いです

分量
浸剤と同量、または少し多めに水を加えても良いでしょう。

作り方
1. 鍋(アルミニウム製は避ける)にハーブと冷水を入れ火にかけ沸騰させます。
2. 沸騰したら弱火にし、量が約2/3ぐらいになるまで煮詰めます。1回に作る量にもよりますが、だいたい15分くらいを目安にしてください。(1時間以内)
3. 茶漉しなどで濾して飲用します。

飲み方
1回50mlをそのまま、もしくは、ぬるま湯などで薄めて朝・昼・晩の3回を目安に飲用します。
*マーシュマロウというハーブの根を使用する再は水出しがベストとなります。
*濃縮煎剤(Concentrated Decoction)という煎剤をもう一度煮詰める製剤もあります。

浸剤&煎剤のミックス
ブレンドによっては、浸剤用と煎剤用のハーブを合わせる事がでてきます。
例えば、マリーゴールどの花とタンポポの根など。

作り方/飲み方
浸剤用のハーブと煎剤用のハーブをブレンドしたい場合は先に煎剤を作り、火から降ろす直前に浸剤用のハーブを入れて数分浸出させて作ります。または別々に作っておき、煎剤50mlに浸剤150〜200mlを加えて飲用します。

チンキ/Tincture

乾燥または生のハーブをアルコールと水に(又はアルコールのみ)漬けて作ります。
チンキはより多くのハーブの有効成分を引き出すことができ、また保存がきくので、英国で処方箋として出されるハーブはほとんどこのチンキになります。
濃度によっても多少異なりますが、比率が1:5(ハーブ1kgに対し5リットルのアルコール水溶液で作られたもの)の場合、通常1回5mlのチンキを少量の水で薄めたものを朝昼晩3回に分けて使用します。
*商品によっては比率が違うので量を調節してください。比率が1:1の場合は、1回1mlを1日3回使用となります。
市販のチンキの場合、ハーブによって成分をより高く引き出すためハーブとアルコール量の比率や使用するアルコール濃度を(例:25・35・45・60・70・90度など)を変えていきます。
お子様やアルコールが苦手な方、肝臓障害や胃腸障害を患っている方は水ではなく熱湯を注いで一度アルコール分を飛ばし、自然に冷めるのを待ってから使用してください。
妊娠中の方や重度の肝臓障害の方は、チンキよりも浸剤や煎剤をおすすめします。乳児にハーブを与える場合は、ごく少量の浸剤を与えるか、母乳を与えている場合には、母親が浸剤や煎剤を飲用するのもよいでしょう。お年寄りの方は、様子を見ながら大人の半分の量から始めてみて下さい。
家庭でチンキを作る場合、使用するアルコールはウォッカなどのアルコール度数が高いものをおすすめします。

一番シンプルな作り方
1. 殺菌処理した空き瓶にカットしたハーブを入れそのハーブが浸かるまで、ウォッカやホワイトリカーなどのアルコール度数が35〜45度数くらいのものを注ぐ。
2. 冷暗所に1日数回ビンを振りながら2週間ほど保存し、液体を漉したらでき上がりです。
3. 遮光瓶に入れ冷暗所で保存します。

[応用編]アルコール度数やハーブとの比率を変えてみる
その1) ウォッカを利用

25%アルコール度数のウォツカでチンキを作る場合:
1. 200gの乾燥ハーブ(フレッシュの場合はその2-3倍)を減菌処理した広口ビン(コーヒーなどの容器)に入れ、そこにウォッカと水を合わせてアルコール度数:25度/1Lにしたものを入れて冷暗所に保管。
*水とウォッカの割合は、アルコール度によって変えます。
2.1日数回ビンを振ってください。
3. 2週間たったら漉して、できあがったチンキを滅菌処理した遮光ビンに入れ冷暗所で保存。

その2)スピリタスとフレッシュペパーミントを利用
*スピリタスは、アルコール濃度 96度程度ですが、ここでは100度で計算しています。

出器量100mlの場合:
フレッシュペパーミント1:2、45%のチンキ作り
細かく刻んだフレッシュペパーミント50g:100ml(45ml/スピリタス 55ml/ミネラルウォーター)
あとはその1と同じ要領で作ります。

*ご家庭で作る場合は、ハーブは100mlの液体が入る量に合わせるなど、全体量を減らして作っても良いと思います。

その他にもシロップや粉末にして使用する方法などがあります。また外用薬としてハンドクリームや浸出油 などにも幅広く使用されています。

(*1)アメリカやオーストラリアなどその他の国の情報は、その国の協会や組織に直接お問い合わせ下さい。
(*2)協会のHP http://www.nimh.org.uk/ Training and Accreditationの欄を参考にしてください。なお、他の団体協会が認める学校はご自身でお調べください。